賃金控除の労使協定

こんにちは、社会保険労務士の中田陽子です。
だいぶご無沙汰してしまいました・・・
もう1月も下旬ですが、本年もよろしくお願いいたします。

さて、本日は労働基準法について少しお話したいと思います。

『賃金控除の労使協定を結べばどんなものも賃金控除できるのか?』

これを考える前提として、
まず賃金支払の5原則を復習してみましょう。
①通貨払の原則
②直接払の原則
③全額払の原則
④毎月1回以上払の原則
⑤一定期日払の原則

賃金控除の労使協定は上記の原則③に関連するものです。
「全額払の原則」の例外が賃金の一部を控除しての支払です。

賃金の一部控除ができる場合には二つあります。
【法令に別段の定めがある場合】
例えば、所得税の源泉徴収、社会保険料控除などが該当しますが、これらは所得税法や健康保険法などで、賃金控除についての定めがあり例外として認められます。

【労使協定がある場合】
法令に定めがなくても労使協定で控除項目を定めていれば、賃金控除が可能です。
例えば、社宅の家賃、制服代、労働組合の組合費、社内預金などが該当します。

ここで重要なのは、控除項目が「事理明白」であることです。何の項目のことか分からないような抽象的な記載を避けて、労働者に誤解を生じさせない項目で定めるようにしてください。

では、最初の議題
賃金控除の労使協定を結べばどんなものの控除も認められるでしょうか。

「賃金控除」は本来後から本人に支払ってもらうべきものをお互いの便宜上賃金との相殺をとるという性質のものなので、本来会社が負担すべき種類のものでなければ労使協定により控除は認められると思います。

最後に、労使協定は「○○費」や「○○代」など項目名のみの決定なので、金額の明記がありません。控除するとしてもその費用として妥当性がない金額、給与のほとんどを控除してしまう、ということにならないという点も注意をしましょう。

<参考>
労働基準法 第24条
 1 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。


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