就業規則の関連規程の届出

こんにちは、社会保険労務士の中田陽子です。
先日企業担当者の方から質問いただいた内容を、今日はテーマにしたいと思います。

『就業規則の関連規程はどこまで労働基準監督署に届出が必要か?』

ご存知のとおり、就業規則を変更した場合は、従業員代表の意見書をつけて労働基準監督署に届出をしなければなりません。就業規則本体に限らず賃金規程や退職金規程に変更があった場合も同様です。

会社には、賃金規程や退職金規程のほかにも、さまざまな規程が存在します。
出向規程、旅費規程、会社によっては携帯電話所持規程、寮規程などを備え付けている場合もあります。「○○規程」を作らなければならないという決まりはなく、就業規則の法定項目以外では会社は自由に規程を設けることができます。

では、この「○○規定」は、どこまで労働基準監督署に届出が義務付けられているでしょうか。

そもそも就業規則への記載事項には、絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項があります。

▼絶対的必要記載事項とは、
必ず就業規則に記載しなければならない事項で、以下の3つを指します。

(1)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
(2)賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(3)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

▼相対的必要記載事項とは、
必ずしも規定する必要はないけれども、何らかの定めをする場合には必ず就業規則に記載しなければならない事項のことをいいます。

労働基準法第89条の第3号以下に記載がある項目、例えば退職手当や安全及び衛生などは定めをするのであれば就業規則に定めなければなりません。
そして第10号に「前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項」と記載があります。
つまり「全ての労働者に適用される事項」または労働者のすべてに適用される可能性がある事項については、就業規則の相対的必要記載事項となるのです。

上記で例を挙げた出向規程や旅費規程はすべての労働者に適用される事項であり、別規程で定めをしたとしても就業規則の一部ということになります。

よってこれらの規程について変更をした場合は、変更届を労働基準監督署に届出する必要があります。

▼結論:
「全ての労働者に適用される事項」を考えた場合、ほとんどの規程はすべての労働者に適用されるといえるため、細かい関連規程もすべて就業規則の一部であり届出が必要になってくるでしょう。

就業規則に盛り込むのか、別規程で定めるのか、迷うところがあるかと思いますが、管理・更新のしやすさや上記の届出義務も踏まえて決めていく必要がありますね。

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<参考>
労働基準法 第89条(作成及び届出の義務)
 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

労働基準法 第90条(作成の手続)
 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合が ある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で 組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
2 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。


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