高年齢者雇用安定法の改正について

こんにちは、社会保険労務士の中田陽子です。

新年度がスタートしました。
保険手続きを担当する労務担当者も入社・退社の手続きに追われているところだと思います。
それに加えて、この時期はハローワークが大混雑するので大変ですよね…。

先日お伝えしたように、4月1日付で各法改正が行われました。
今日はその中から、高年齢者雇用安定法の改正についてお話したいと思います。

まずは改正のポイントと簡単に解説をしていきます。

①継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
希望者全員を65歳まで継続して雇用する制度を導入する必要があります。
労使協定で定める基準に該当する者を限定している企業は、まずは就業規則の改正等を行い、希望者全員を継続雇用する対応の検討が必要です。
※年齢によって段階的な措置もとることができるので詳しくはご相談ください。

②継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大
子会社や関連会社など特殊関係事業主との契約に基づき、自社内で必ずしも継続雇用しなくてもよくなります。
※特殊関係事業主と認められるためには、一定の要件を満たす必要があります。

③義務違反の企業に対する公表規定の導入
高年齢者雇用確保措置(定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止)を講じていない企業に対して、勧告をしても改善がない場合は企業名が公表されます。

④高年齢者雇用確保措置の実施および運用に関する指針の策定

高年齢者雇用確保措置の実施および運用に関する指針を新たに策定しています。

次に、良くあるお問合せをご紹介します。

Q.希望者は全員65歳まで雇用しなくてはならないのでしょうか?
⇒就業規則に定める解雇事由や退職事由に該当する場合は、継続雇用しないことができます。
ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められるでしょう。

Q.労働契約法で有期契約5年を超えた労働者から申し出があった場合は、無期雇用にしなければならなくなりましたが、たとえば65歳を超えて雇用したい場合も、労働契約法が適用されてしまうのでしょうか?
⇒改正労働契約法の無期雇用への転換規定に年齢による例外規定はありません。よって、60歳定年後、継続雇用で有期契約を結んだ労働者を65歳を超えて雇用しようとする場合は、
労働契約法にも留意が必要です。
もっとも、本人の申し出があっての無期雇用への転換規定のため必ずしも、ということはないと思います。

以上、ざっと要点をかいつまんで書いてみました。

この法改正により企業側には賃金体系や経営戦略の変更が迫られますが、働く側も権利を主張するばかりでなく、自らの意識変革が必要になります。双方が納得して長く働けるように、日々の社員教育(というと少し堅いですが)や評価制度、社内の風土づくりに企業は今まで以上に取り組んでいく必要があるのではないかと感じています。


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